音楽療法の知識とスキルを活かし、主に未就学の子どもを対象とした音楽活動や福祉の枠組みにおける障がい児・障がい者を対象とした活動を展開しています。いずれも音楽に内在する力を活用して、子どもの感性を育み、障がいのある人たちの心身に働きかけるなど、対象者の可能性を引き出すことで、生活の質向上に寄与することを直接・間接の目的としています。自己肯定感の増進、コミュニケーション意欲と能力の向上など、音楽によってもたらされる様々な効用は、親子間、保育者と子ども、子ども同士の人間関係を良好に発展させます。音楽を通して子どもと向き合い、あくまでも子どもの成長を支援するために音楽を活用するという理念と技法は、発達過程にある未就学児に対してもきわめて有効です。とりわけインクルーシブな活動が求められる保育園での活用には大きな可能性が認められるでしょう。そのためここ数年は、より大きな波及効果を期待し、子どもたちへの直接的な音楽活動から保育士を対象とした研修へと重点を移しています。できるかぎり多くの子どもたちが保育士による日々の音楽活動から健やかな発達と心身の成長のための糧をえられることを願っています。